2014年1月17日

10年ぶりの改修工事



2003年に全面改修工事をさせていただいたお客様からお声を掛けていただき
昨年の秋、外壁や屋根の改修をさせていただきました。

10年も経つと、家の中はこちらのアタマのなかにある風景とは色合いが違います。
床の無垢フローリングや壁のベニアや化粧梁は、日に焼けて深みを増しています。
まるでお客様の暮らしがそのまま染み込んでいるような。

2003年の工事の際、『自分が手掛けたという証を、この家に残していってほしい』という
言葉をお客様からいただきました。そこで大工さんから道具を借りまして、床やら外壁
下地材やら和室造作材やら...改修時の解体材を使ってリビングに壁面レリーフを制作しました。

いまもそのレリーフには草花、家族の写真、ちょっと捨てられない思い出の品なんかが
飾られています。家と家族の過去・現在・未来をギュッと凝縮した地層みたいなものでしょうか...。
これを見るたびに自分も、いつも元気を貰う気がします。

また遊びに行きますね。

mct.


2014年1月9日

名もなきものへの弔辞


街のなかで
好きな道、嫌いな道ってのがありませんか?
何処ソコ方面に行く時はこのルート、みたいな
自分なりの決めごとがあって、それぞれの
地区にお気に入りの建てものがあります。

そんな建てものの前を
そのうち車を止めて写真を撮っておかなきゃと
思いながら、また今度な...と通り過ぎてしまう。
そうしてしばらくぶりに通ると、姿を消している。
あるところは時間貸し駐車場、または味気ない
低層テナントビルやマンションへと。

すさまじい後悔の念。

それぞれに建て替えられる理由が様々あるのは
承知しているけれど、人も街も、記憶の蓄積によって
豊かさが生まれるように思うのです。
単に無かったことのように扱われるのは、とてもかなしい。

できるだけ多くの人に憶えていてもらえるといいね
と、願います。

小樽:間に合った例                                     mct.



2014年1月1日

2014年 新春


夕暮れに、鼻を頼りに見知らぬ道を行けば

冬空にかすかな波音。
 
新年明けの漁が始まるまでのつかの間

ライトに照らされた漁船が

港で静かにその時を待っている。

荒波の日も、穏やかな日も

一日を笑顔で終え

つぎの一日を迎えられるように。

 



 皆サマ、昨年中は大変お世話になり誠に有り難うございました。
 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 mct.