2013年3月26日

たまにはおカタい独り言











建築家賠償責任保険 という保険をご存知でしょうか?
要するに設計上のミスに起因した事故に対して、いろいろ
カバーしてくれる、専門職:建築家のための保険です。
(同じようなもので、建築士事務所賠償責任保険、建築士賠償責任保険というのもあります。)
この保険における事故内容で最も多いものを順に挙げると

結露事故
強度不足等の構造関係
漏水・浸水
地盤・不等沈下   だそうです。2大要因は水と構造 ということ。

神サマではないのだから、誰しもミスを避けられないことはある。
これらが構造設計上のミス、または施工上のミスで起きるのならば
話は理解できる。つまり構造設計や設備設計を生業としている人の
ための保険だというのであればスジが通る。むしろ入るべき。しかし
形にとらわれてばかりで、構造やディテールのことは他人にまかせてる
ような人は、いったいなんのために入ってるの?

他人に頼んだ仕事を、まかせっきりでチェックしない。もしくは
チェックしきれないほどの大プロジェクトである場合のリスク軽減…。

ぼくはこの仕事をしていますが、(ほとんど木造の)住宅しか
関わる気がありません。なぜならそれ以上の規模の建物になると
自分の目が行き届かなくなるのが分かっているからです。
自分で責任の取れる範囲でしか、仕事をしたくありません。
こんなだと、仕事の範囲は広がらないのかもしれませんが、そのかわり
人の手柄を我がもの顔で自慢するようなこともありません。

本来、建築家とは
より優れた建築をつくるために存在するのではないのですか?
その建物に
建築家が関わることで、またひとつ余計な保険が増えるようなら
いったいなんのための建築家ですか?                   mct.