2012年8月26日

さらば台所



朝起きて、冷たい水で顔を洗う。
ヤカンを火にかけ、使い古して所々デコボコになった茶筒からお茶っ葉を取り出す。
それはお菓子が入っていた缶の使い回しだったりする。
暑い夏の日には、蛇口からホースを延ばし、庭先で水浴び。
棚の一番上におやつの入った籠があって、椅子を持って来て
手を伸ばし、中を覗き込む。
魚をさばくのを隣でながめ、ときどき顔をしかめてみたりして。
まるで職人の工場のような佇まいの台所。
使ったら、手入れしてもとの位置に戻すこと。
どこに何があるかは、自分だけが知っている。


mct.