それは6、7年前の出来事。
小さい子供はだれでも、水遊びが大好きだ。
とにかく飽きずによく遊ぶ。
とにかく飽きずによく遊ぶ。
同じ幼稚園のママさんから噂に聞いた公園は、水が
流れる滑り台あって、暑い日に子供が遊ぶには最適な
場所らしかった。
流れる滑り台あって、暑い日に子供が遊ぶには最適な
場所らしかった。
断っておくが、近隣の住人以外は知らないような
ローカルな公園だ。ぜひ今度そこへ行ってみよう!という
ことになり、休みの日に車に乗ってその公園へ向かった。
ローカルな公園だ。ぜひ今度そこへ行ってみよう!という
ことになり、休みの日に車に乗ってその公園へ向かった。
5分ほど車を走らせた。
場所はちょっと分かりづらい、大きなスーパーの裏に
隠れた中通りに面していて、初めて行くには事前に下調べを
しておかないと見つけられそうもないようなところだった。
隠れた中通りに面していて、初めて行くには事前に下調べを
しておかないと見つけられそうもないようなところだった。
ここじゃないかい?と言いながら車を公園のフェンスの
あたりにゆっくり横付けする。開けた窓から子供達の
はしゃぎ声が聞こえる。
その瞬間、説明のつかない不思議な感覚に襲わた...しかし
あたりにゆっくり横付けする。開けた窓から子供達の
はしゃぎ声が聞こえる。
その瞬間、説明のつかない不思議な感覚に襲わた...しかし
その感じが何なのか自分にも分からないまま、車を降りて
歩き出した。
歩き出した。
ゆるい坂になった公園の芝生を見て、はっきりした。
まったくの不意打ちだった。自分は随分昔にここに来たことがある...。
僕の両親と兄弟は、僕が小学2年の二学期に北見から札幌に引っ越して来た。
兄は小学5年生、姉は中学1年生だった。
ある夏の日に、新しく出来た公園の記事が新聞に出ていた。(ローカルねたでも載せていたのか?)
そこには水の流れる滑り台があって、子供にとってはそれはそれは夢のように楽しい公園だ、と。
(やはりこの場合も)ぜひ今度そこへ行ってみよう!ということになり、休みの日にその公園へ向かった。
ただし違うのは、以前にも書いた通り、我が父は車の免許を持っていなかったということだ。
今考えると、家から公園まで車なら15~20分というところ。しかし当時はバスで1時間かけて大通りまで行って
それから地下鉄南北線に乗って…といった具合。(多分)澄川で降りてタクシーに乗ったのだと思う。
家族5人、札幌の土地勘も無く、タクシーのおじさんだけが頼り。とはいえ完成直後の公園なんて、おじさんにも
分かるわけがなく、澄川周辺を長い時間、ぐるぐると迷子になってしまった。
そして次第に不機嫌になる5人。
家を出てどのくらい経ったか分からないが、すっかり疲れ果て、西日がキツくなったころにやっと見つけた。
そこには水の流れるチャチな滑り台が3本ほど、ゆるい坂を下って深さ30センチもないくらいのプールに伸びていた。
たくさんの幼稚園児が歓声を上げて遊んでいた。
母親は言った。せっかく来たのだから遊びなさい!
兄と僕はしぶしぶ2本くらい滑った。中学生の姉は木陰に立って僕らを眺めていた。
30年後、幼稚園児の我が子は、めいっぱいはしゃいで水を被って遊んだ。
しかし子供の頃の夏の日とは、どうしてこうもせつないのだろう。 mct.