2016年6月27日

向こうとこっち



   フェンスの向こうには人気はなく カラカラに乾いた砂利道が続いている

   遠くで機械の唸る音が聞こえる 昼食まであと一時間くらいだ

   一車線だった表通りは二車線になり 周りの建物はどれもすっかり建て替えられた

   ガラス瓶で封をされたみたいに取り残されたこの場所を

   きっと君はもう 覚えてはいないだろう

   なぁ そっちでも 同じ初夏の風が吹いているのか
                                         mct.