2012年6月21日

リノベーションについての独り言

<リノベーション Renovation>          
刷新。改善。 修理。修復。大辞林)
修復、修繕。三省堂 新グローバル英和辞典)


この数年なにかと耳にする<リノベーション> 。
職業柄、どうも言葉としての使われ方が気になって
仕方がない。
一戸建住宅やマンション、施設などのいわゆる改修工事のことを(特に住宅分野で)長い間、リフォーム と言われてきたように思うが、リフォームとリノベーション
なにが違うのか?


<リフォーム Reform>
〜を再び作る、作り変える・直す、〜を再編成する。形が変わる。
三省堂 新グローバル英和辞典)


出所はよく分からないけれど、web上でよく見かける
建設省(現 国交省)によるらしい以下の定義
・ リノベーション=新築時の目論見とは違う次元に改修する
・ リフォーム=新築時の目論みに近づく様に復元する
(新築時の目論みって...? 違う次元ってどんな次元だ?)


あくまでも個人的な印象だけれど、この数年<リノベーション>という言葉をしきりに
使っている方達は、昔から行われている単なる修繕・営繕は、<リフォーム >であり
自らの洗練されたデザインによる仕事、もしくは取り扱っている物件は
<リノベーション>であって、古くさい概念の<リフォーム >ではない、と... 。


つまりは<リフォーム >という言葉ありき。わざわざ自分たちを差別化したいために
持ち出して使うようになっただけのこと。上記の通り、たいした違いは見当たらない。
比較する相手がいなければ成り立たない表現言葉に、なんの意味がある?
むしろ辞書には、『修繕』は<リノベーション>の意、とある。


デザートをスイーツと呼ぶように
リノベーションもリフォームも違いはない。
大切なのは、カンバンじゃなく味、工事の中身だ。




うん、少しだけすっきりした。                   mct.